意外とホームページが重要な参考資料ブログ:04-5-21
ぼくのお父さんは典型的な早寝早起きの人。
よるの9時には床に就き、朝は4時前に起床する。
起きてからは熱い珈琲を入れ、
朝食までの時間をゆっくり勉強するお父さんを尊敬こそすれ、
到底真似できないと思っていた。
しかし、
大学受験を控えながら、
全く成果のあがっていなかった秋に、
一か八かぼくも朝型人間となることを決意した。
お父さんにそのことを告げると嬉しそうに
「起きているかどうかチェックしてやるよ」と言った。
お父さんはその言葉通り、毎朝5時にきっかり顔を出した。
そして、たっぷりと珈琲をポットに作り差し入れてくれた。
その心遣いが嬉しく、一層勉強に励もうと思ったのは言うまでもない。
しかし、
それまでよる型だったぼくの体内時計が
そう一息に切り換わるはずもなく、
始めて14日間を過ぎた頃から…
起きることはできるのだが、6時過ぎにどうも眠くなる。
無理に起きて珈琲を飲んでも、落ちてくる瞼に適うはずもなく、
結局本の上に突っ伏して寝てしまう日々が続いた。
14時間の勉強にも支障が出てきたが、もう少し頑張ればと、
ずるずる同じパターンを繰り返していた。
ある朝、
いつもはポットを渡すとすぐ行ってしまうお父さんが、
「ちょっと雨戸を開けてみないか」と言った。
寒いのに…と思いつつ、ぼくは雨戸をそっと開けた。
東に面したぼくの部屋の外には、
よるの空から明け方の朝焼けにつながる
美しいグラデーションが広がっていた。
今まで見たこともない美しい光景だった。
「綺麗だろ。ぼくはこの朝の風景にひかれて、
早起きするようになったんだ」
そして、
「けれど、お前にこのスタイルが合っているとは限らない。
いずれにしろきちんと充分な睡眠を取らないと、
勉強どころかからだが駄目になってしまうよ」
と、お父さんは言った。